第32回日本脳神経外科コングレス総会開催に向けて
今般、第32回日本脳神経外科コングレス総会を、平成24年5月11〜13日の3日間、パシフィコ横浜にて開催することとなりました。大変光栄に存じておりますとともに、東京大学脳神経外科学教室の総力をあげて実りある会となるよう準備を進めて参りたいと存じます。
日本脳神経外科コングレスは、昭和55年の発足以来、特に生涯教育を担うことをミッションとして、脳神経外科学の発展に寄与してきました。この約30年の間にも、脳神経外科学は大きく進歩しましたが、外科技術が高度化・細分化・個別化してきた一方で、社会が医療に求める要求水準は高くなり、個々診療の場においても常に最高レベルの技術や知識が要求されるようになりました。同じような議論が脳神経外科学の研究の面でも当てはまります。長い病歴のカルテに中間サマリーがあるように、現在の脳神経外科学にも中間サマリーのようなものがあればよいと考えました。
そこで、第32回日本脳神経外科コングレス総会のメインテーマは、「脳神経外科学の課題」、英語で ‘Issues in Neurosurgical Science’ とさせていただきました。各分野でご活躍の先生にお願いして、脳神経外科学の未解決の課題を浮き彫りにして鳥瞰し、今後の研究促進に役立てればと考えております。また、プログラム冊子のビジュアル化とプログラムの電子化も企画しております。
当別企画として「臨床研究の方法を学ぶ」や「災害と脳神経外科」のセッションを検討しています。また文化講演は著書「デフレの正体」で有名な日本政策投資銀行の藻谷浩介氏にお願いしました。例年通りコングレス前日の5月10日(木)には、プレコングレスとハンズオンコースを企画しております。ランチョンセミナーやモーニングセミナーも駆使して、広くアップツーデートの脳神経外科学に触れていただくよう鋭意準備を進めてまいります。会員の皆様におかれましては、ご支援・ご指導をお願い申し上げますとともに、本学会が最新の知識や意見の交換の場となるよう、多くの皆様のご参会をお待ちしております。
第32回日本脳神経外科コングレス総会
会長 斉藤 延人
(東京大学医学部脳神経外科)